全ての記事【新着順】

プロ使用ラケットの実態とペイントジョブ&プロストック【part1 バボラ編】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加




今回私がここで取り上げたいのはプロ選手が使っているラケットは実際どのくらい市販品と違うのか。またその事実とどのように向き合うかを考えていきたいと思います。

まず結論から書きます。プロが使っているラケットと一般用に市販されているラケットは全くちがいます。○○選手モデルや最新モデルが売られていますがそれに合わせてトッププロがラケットを変えることはほとんどないと思います。プロ選手用に使用したいラケットに別のペイントをすることをペイントジョブといい現在テニス界で横行しています。最新モデルのカラーに変えてモールドがそのままであると見分けにくいですが判別できるところをメーカー別(機種別)に何回かに分けて見ていきます。今回はバボラ編です。

 

バボラはピュアドライブ、アエロプロドライブ、ピュアコントロールなど形やスペックを変えずモデルチェンジをする印象の強いメーカーですがモデルごとに少しずつ変化しています。

 

・ピュアドライブ
まずバボラのフラッグシップモデルであるピュアドライブです。カルロス・モヤが使用し全仏を制したときはウーファーはあったもののコアテックスはついていませんでした。この頃から使用していたキム・クライシュテルスとともに後継モデルになり市販品にコアテックスが搭載されてもペイントだけで実際はついていないのものを使用していました。

image imageimage

最新の2015年モデルではストリングパターンが縦に広がった関係で1番下の横糸がバボラの二本線より下になっています。しかし、最新カラーを使用している選手の多くが前のモデルと同じ位置になっており、フレームサイドのFSIシステムの部分も色は変わっていません。

2015年モデル

image

image

2012年モデル

image

ガルビネ・ムグルッサ

ムグルッサのストリングパターンは以前の下に広がっていないモデルですがよく見てみるとコアテックスもペイントのみで凹凸がありません。このことからかなり前のモデルであることがわかります。

下の画像のNO HABLARですがhablarはスペイン語の「話す」という意味なので、話さない→冷静に という感じでしょうか。

image

image

ジュリアン・ベネトー

image

杉田祐一

日本リーグとウインブルドンに出場したときではストリングパターンが変わっており2015年モデルを試したものの前のモデルに戻したと思われます。

ウインブルドン

image

日本リーグ

image

またバボラで驚きなのは日本のジュニアで先日プロに転向した綿貫陽介選手のラケットです。彼のラケットも前のモデルのものでテレビ番組のミライモンスターではFSIがついていないこともはっきり確認できました。まだジュニアの年代から特別なラケットを支給されていたことになります。

image

これらのことからバボラは選手用に支給するラケットとして2015年のカラーで2012年、2009年のストリングパターンやグロメットのものを用意していると考えられます。

 

特殊なパターンとしてカルロス・モヤは2000年時時点で最新モデルと同じようなパターンが広いものを使用しているため完全な特注品です。

image

image





・ピュアアエロ

アエロプロドライブから流れとして続いているシリーズですが今回の最新モデルでは見た目にもわかる大きな変更点が2点ありました。空気抵抗をなくすためフレーム下部のグロメットとコアテックスを内蔵型にしたことです。下部以外のグロメットも形状の変更がありましたが判別しづらいためここでは取り上げません。この2つの部分が外から見てもわかるためプロ選手が最新モデルを使っているか見ていきます。

ピュアアエロ

image

アエロプロドライブ

モデルによりコアテックスの形が違います。

image

image

彼女のラケットは下部のグロメットがあり黒いコアテックスがついているのがわかるためアエロプロドライブにピュアアエロの塗装をしたものだと思います。

ユージニー・ブシャール

image

デルボニス

彼のラケットは下部のグロメットがあるところはブシャールと同じですがうっすらと見えるコアテックスの形がV字であるためもう一代前のモデルです。

image

ジョー・ウィルフライ・ツォンガ

ツォンガのラケットはコアテックスの形からデルボニスと同じかもうひとつ前のモデルだとおもわれますが、なぜかわかりやすくコアテックスの部分だけ色が変わっています。隠す気がないように見えます。

imageimage

ラファエル・ナダル

アエロシリーズわの代表格であるナダルですが彼が初代のアエロプロドライブを使用していることは有名な話です。そのため彼のラケットは下部のグロメットがありますがコアテックスがないモデルになっています。

image

image

image image

またナダルは昨シーズン終盤にピュアアエロと同じような下部のグロメットが内蔵されているものを使用していましたが一定期間で元に戻しました。

image

2016年の全豪オープンにはガットをRPMブラストからルキシロンのオリジナルに変更しましたがこれもすぐに戻しました。このことからナダルは成績が振るわない期間に様々な試行錯誤をしていたことがわかります。

↓ガットがいつもの黒色ではありません。

image

グロメットが特徴的なためピュアアエロのペイントジョブは特にわかりやすくプロ選手(特に男子)はピュアアエロを使用していないことがわかりますが、数少ないピュアアエロを実際に使っていると思われる選手を紹介します。

サム・クエリー

2016年のウインブルドンでジョコビッチを倒したクエリーですが下部のグロメットが内蔵型です。

image

ビクトル・トロイツキ

image

 

・ピュアストライク

このラケットはカラーはピュアストライクのものを使用しているプロが多いですが実際に使っているのはドミニク・ティエムぐらいだと思います。ピュアストライクはフレームが薄く完全なボックス形状でないのが特徴ですが、ストーサー、バシンスキー、ヒラルドのラケットはボックス形状で3人ともピュアストームからの移行組であるので中身はピュアストームかそれより前のモデルでしょう。

サマンサ・ストーサー

image

image

ティメア・バシンスキー

image image

サンティアゴ・ヒラルド

imageimage

このほかにもピュアストライクカラーのラケットを使っているプロは大勢いますがほとんどがボックス形状のものです。

また、一時期バボラの公式アカウントがカミラ・ジョルジの使っているラケットは?と聞かれてピュアストライクCTRLと答えたためそのようなラケットが出るのでは?と噂されたことがありました。実際にボックス形状のフレームにCTRLの記載もありました。

image

CTRLの文字。この画像が1番市販品との違いがわかりやすいかもしれません。下の市販品の画像と比較してもらえばフレーム形状の違いがわかると思います。

image

image

 

しかしこれは明らかに発売することはないと思いました。理由は

・ピュアストライクとピュアストームの名前が紛らわしいという理由からシリーズの名前を変更したバボラがピュアストライク コントロールという名前のラケットを発売することはない。

・テニスのメーカーでは選手用にペイントジョブを施したラケットのために名前をつけることがある。(プリンスのエクスペリメンタル、バボラの2012アエロストーム等)

image

↑このバージョンのアエロストームは市販されていません。

・ピュアストライクの発売から時間が経っており同じカラーのラケットを出すとは考えにくい。

などの理由からです。

実際にこのピュアストライクCTRLが発売されないままティエムなどの選手がProjectone7という白色のラケットを使用しておりモニター募集も始まっています。

image

ツォンガは一時期ピュアストライクを使っており形状も市販のものと同じように見えましたが合わなかったのかアエロプロドライブに戻していました。先ほどのコアテックスの件からも後ろめたいことが苦手なのかもしれません。

image

 

・ピュアアエロVS(アエロストーム)

先日発売されたラケットですがこのラケットにもペイントジョブではないかと思える写真があります。

ジャック・ソック

現在使用しているUSカラーはコアテックス部分が白いため確認しづらいですが通常カラーのときはうっすらとV字のコアテックスが確認できます。もともとピュアアエロVSは下部とまわりのグロメットが以前と同じであるため変更点はコアテックスの内蔵のみでした。ソックの使っているラケットはほぼアエロストームで間違いないでしょう。

image

image

 

変わったラケットを使用しているプロたち

サム・グロスのラケットですが画像を見てもらってわかる通り黒いコアテックスがついています。しかしそれよりも注目すべきなのはグリップです。リプレイスメントグリップ(戻グリップ)を巻かずウレタンをグリップ型に成型しその上にオーバーグリップを巻いています。プロはダイレクトな感触を好みレザーグリップを巻く人が多いですがこのウレタンはそれよりもより直接感触を掴みたいのでしょうか。

image

image

 

↓このラケットはウイルソンからバボラに契約が変わった女子選手のもので、バーン95を黒いテープでペイントを隠し白いテープでバボラの2本ラインを作ったラケットです。契約が変わって期間がなかったためか非常に雑な対処方法です。

image image

 

これまでプロのバボラのラケットを見てきましたが実際使っているものが現行のラケットではなくがっかりした方も多いかもしれません。しかしpart2以降で取り上げますが他のメーカーのペイントジョブに比べると同じシリーズの前のモデルを使っている場合が多く、良心的に思えます。

 

最後に私はこのように選手のラケットの知識はありますがピュアドライブをモデルチェンジのたびにを2本以上ずつ購入して試しています。理由は

・最新のラケットは進化より変化の意味が大きくなり少し残念な反面自分のプレーに合うかもしれないから。

・プロの選手と違い趣味でテニスをしているので新しいラケットで得るモチベーションによる効果のほうが大きいから。

・プロはジュニアの頃からラケットを変えていないプレーヤーが多いため慣れや感覚の部分を優先しますが私はテニスギアが好きでありいろいろなものを試してみたいから。

などです。

 

長くなりましたが今回取り上げたバボラのプロのラケットだけでもテレビ観戦で注目するとより一層楽しめると思います。これからヘッド、ウイルソン、ヨネックス編もあげていきますのでご期待ください。

PART2 ヘッド編はこちら→http://tennis.best-system1.com/2016/10/07/プロ使用ラケットの実態とペイントジョブ&プロストック【part2 ヘッド編】

 

PART3 ウィルソン編はこちら→http://tennis.best-system1.com/2016/10/12/プロ使用ラケットの実態とペイントジョブ&プロストック【part3 ウィルソン編】




コメント

    • 太郎
    • 2016年 9月 20日

    興味深いブログありがとうございます!ところで、先日の大阪で行われたデビスカップの、ダニエル太郎さんのピュアドライブは、中身は、2015でしょうか?それとも2012でしょうか?《ストリングパターンとグロメットのFSIテクノロジー》
    教えて頂ければ幸いです。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

come on tennis 公式ツイッター

PAGE TOP